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| ハーネス業界20年間の変化 |
●創業からバブル崩壊まで
弊社は、昭和60年に創業をいたしました。決算期で申し上げますと、現在(平成15年度)第19期目となっております。ここで、弊社創業からの約20年間を振り返り、ハーネス業界を展望させて頂きたいと思います。
昭和60年と申しますと、阪神タイガースが優勝した年であり、経済ではプラザ合意による急激な円高を向かえた年でありました。
弊社操業開始にあたりましては、工場長1名、女子社員2名の3名でスタート致した訳ですが、急激な円高に対して、弊社の営業力は甚だ微力であり、3名の固定費捻出も相当に苦労をした記憶があります。しかし、なんとか営業力の向上による増員も出来る体制となり、翌年にかけましては、男性4名女性10名の体制となりました。
あわせて、この時期はいわゆる「ハーネス加工業」乱立の時期でもありました。電気・電子製品には多くのハーネスが使用されており、テレビ、ビデオ等のバックパネルを開けると、溢れんばかりの電線が見えたものでした。
このため海外生産以前の問題として、国内同業者の安値競争により、大幅な価格低下が開始した時期でもあります。
また、この頃は東京晴海で「インターネプコン・ショウ」が盛大に開催され、我々電線加工業者のお祭りのようでもありました。弊社でも、男子社員全員でお祭り気分で上京したものです。機械メーカー・端子/コネクターメーカーも多数出展し活況を帯びておりました。
そして、世の中はバブル時代に突入し、ひたすら拡大そして崩壊への道へ進む事になります。弊社はバブルとは違った道ではありましたが、平成3年度のピークに向けまして、やはり拡大路線を突き進む事になりました。男性10名女性30名体制です。
●失われた10年間
世間では「バブルの崩壊」という言葉を使っていますが、平成3年度から平成4年度で売上高を30%落ち込ませた、弊社にもあてはまるのでしょうか?
弊社ではこの時期、得意先様の3本柱を持っておりました。(柱1本約1,000万円)このうちの1本の柱を自ら切り倒しました。
理由は簡単です。得意先様から、「仕事量の確保を条件として、製品単価と製造能力はすべて得意先様の指示に従うこと。」との取引条件の提示があったからです。
弊社の考えとして、得意先様との関係はあくまで平等であり、製品単価についてはお見積りにより受注先が決定されるべきである事。製造能力については、得意先様要求を第一優先事項とするものの、実施にあたっては両社間によって生産計画を十分協議の上、実行されなければならない事。を基本として、企業運営されるとしていたからです。
同業社の中には前記条件を了解したばかりに、いずれ得意先様が海外への生産に切り替えたために、廃業へと追い込まれた会社が多数ありました。
急激な円高に伴い、国内製造業は東南アジアを中心として製造拠点の移動を開始しました。一番先に手をつけられたのが、我々ハーネス加工業界でした。労働集約型産業の典型であり、家内生産に近く、低付加価値製品であれば、低賃金地区への移動は当然のことでした。特に生産台数の多い「家電」「音響」等の民生型の業界は100%移動しました。それは見事なものです。
我々同業の中で、比較的大規模に運営されていた会社は、これを追って海外へ出ていかなければならない状況となりました。
さて、この10年間を振り返りますと、日本という国家はいったい何をやっていたのでしょうか?(ここでは、政治問題はさけましょう。)
いやぁ、たいしたものです。
国内製造業は死んでいません。利益を出している企業もたくさんあります。恥ずかしながら弊社も生き残っております。利益はあまり出てはいませんが。
新聞・TV 等のメディアで報道されているほど、日本の製造業は弱くありません。
この10年間で、日本の製造業はその業態を大きく変換してきています。
すなわち、国内生産品は量産物から高付加価値品へと製造品目が変換したのです。
ハーネス業界も大きく変換しようとしております。従来の量産品は完全に国内から姿を消し、1セット単位の高付加価値品へと変換しております。これに対応するため、弊社では同業者との間で、製造ネットワークを構築していります。
おそらくこのページをお読みのメーカーの皆様は、量産物から高付加価値品へと製造品目を変換された方、あるいは高技術をもたれた自社製品の開発型企業の皆様だと思います。
ぜひ、こういった変換をしているハーネス業界に、期待をして頂きたいと思います。
●再度、バブル?が始まった
国内の景気が不況、不況と騒がれる中、平成12年度、弊社は過去最高売上を計上いたしました。「ITバブル」と言われた時期です。平成13年度は「ITバブルの崩壊」で、再度低迷に苦しみましたが、反転、平成14年度7月〜9月の3ヶ月間売上は、これまた過去最高を記録いたしました。
確かにこの時期、日本全体の景気も下げ止まりといわれ、若干の景気回復が報道された時期であります。
いったい何故このような状況が繰り返されるのでしょうか?
弊社が好景気だったこの2つの時期には、共通点があります。
弊社が携わっていた業界が、急激に伸びたからです。
ITバブル期の半導体業界、海外向け工作機械業界、情報通信業界、特定の製品製造業界等です。従って、日本の景気そのものを牽引する力はありませんが、その業界に携わる企業にとっては、大いに拡大するチャンスとなるわけです。この状況においては、ハーネス業界も他の業界も同条件です。
10年間の変換時期を経て業界構造が変化を遂げた今、ハーネス業各社が安定的上昇を望むならば、いち早く伸びる業界を見通し、その業界に携わる事が必要不可欠となったわけです。
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| ハーネス業界今後の展望 |
●ハーネス業界は生き残りをかけ、3極化を始めています。
第1番目です。海外への展開。これに付いては本ページの主旨とは違うため触れません。
第2番目です。旧態依然とした「ハーネス加工屋」としての生き残り戦略。
これは一見不安定のように感じるのですが、非常に恵まれた状況であると思います。
なぜならば、生かしてくれる親会社が存在するからです。
先に触れました「単価」「生産能力」を親会社の言いなりになれば、仕事量の確保は心配する事は無い。
生産設備、材料は親会社からの支給。既にある設備はすべて償却済み。社長、従業員も高齢化しており給与のアップも望まない。今更、危険を冒したくない。先行き長くないのだから無理する必要など無い。後継者もいないので自分の代で終わり。
親会社にしてみれば、管理工数は係るものの、海外工賃に多少の上乗せで発注できるし、付き合いも長いので無理も利く。将来的には多少の不安も残るが、廃業されたらその時考えよう。
所詮、ハーネスなど誰でも出来る業界だ。と、いったところでしょうか。
●さて本題は、第3番目です。
「ワイヤリング・ハーネスメーカー」としての位置付けを、明確にしようと努力をしている企業です。
従来からハーネス業は、完全な下請け業種と位置付けられてきました。
しかし、独自の営業力をもって得意先様を開拓し、1社あたりの依存度を低下させ、高品質・生産対応能力・適正価格をもって、得意先様を「ワイヤリング・ハーネスメーカー」側から選択することを目指した企業形態です。
今後、ますます国内生産製品は高付加価値品となり、それに伴い生産台数も減少していきます。
こういった国内生産製品メーカー様は、1台当りの部品はハーネスにかかわらず、ユニット発注形態に移行していきます。
これに対応するためには、ハーネス部品にかかわらず、全ての部品を一括受注できる生産体制が必要となります。
これからのハーネス業界は、この一括受注できる生産体制をもち、同様な動きをとらなければならない他部品業界との、新たな戦いが始まっております。
このためにも、ハーネス業界にとらわれない複数社による、製造ネットワークの構築が必要になるのです。
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| ハーネス業界、今、何をなすべきか |
●生産体制の見直し
まず、社内生産体制の見直しです。
量産品懐かしき頃、量産ラインの中に「試作ライン」「少量品対応ライン」を置きました。
現在は、量産ラインは有っても無駄なのです。少量品の1個生産ラインだけで良いのです。仮に、量産品の受注があった場合は、外注委託生産としましょう。
機械も外注先に移動しましょう。
ライン変更はすばやくやりましょう。
1枚の図面で10,000個作る時代はもう来ないのです。
100枚の図面で1セット作れるラインをたくさん持ちましょう。
あとは、作業者の意識の改革です。
「今日、1セット出荷したばかりなのに、明日納期でまた1セットの受注。」
「あ〜、やんなっちゃう。」
「今日、1セット出荷したばかりなのに、また同じ物の受注がいただけた。」
で、いきましょうよ。
●品質管理教育の強化
得意先様が求めているのは、製品の価格でしょうか?
たしかに、「品質は良くてあたりまえ、納期遅れはとんでもない。問題は価格だよ。」と、言われてきました。
しかし私が知る限り、こういう発言をする資材担当者様が、落ち着いて自分の席で仕事をしているのを見たことが無い。
いつも品質トラブル、納期トラブルで、走り回っていた様に思う。
先ほど、「どんどん外注に委託生産せよ。」と書きました。そして、「100枚の図面で1セット作るラインを多くせよ。」とも書きました。
これを可能にし、得意先様にご迷惑をお掛けしないためには、品質管理教育の徹底強化が不可欠なのです。
「検査の必要の無いラインを作ろう」「次工程はお客様」などと言っていたのは、昔の量が見込めた頃のお話。
100枚の図面で1セット作るラインでは、そこで品質管理もしなければならないのです。
そこから、1個たりとも不具合品は出してはいけないのです。
その人の製造責任なのです。
しかし、理想と現実にはギャップがあります。
そこで二重検査です。三重検査です。会社は大赤字です。
それでも、得意先様には不具合品を渡してはならないのです。
得意先資材担当者様を楽にしてあげましょう。
●得意先の意識改革
これからは、得意先様に対しましても、ハーネス業界に対する意識の変化を求めなければなりません。
先程と同じことを、もう一度書きます。
得意先様が求めているのは、製品の価格でしょうか?
たしかに、「品質は良くてあたりまえ、納期遅れはとんでもない。問題は価格だよ。」と、言われてきました。
しかし私が知る限り、こういう発言をする資材担当者様が、落ち着いて自分の席で仕事をしているのを見たことが無い。
いつも品質トラブル、納期トラブルで、走り回っていた様に思う。
製品の単価には、「絶対単価」と「相対単価」があると思います。
「絶対単価」は、その製品の単価のことを言います。100円で買うものは100円です。
「相対単価」は、その製品に掛かっている、全ての経費を含めた単価を言います。
基本的に、得意先資材購買担当者様は、「絶対単価」で比較検討します。
そのほうが明確な数値で表されるので、簡単だからです。
「他社のほうが・・円安いよ。」よくこんな言い方を聞きますね。
でも、私は知っているんです。・・円安い他社製品を購入したため、その担当者様が、客先に3日間も不良選別に行っていた事を。
(注*特定の得意先様の特定の担当者を指しているわけでは有りませんので、皆さんに心当たりが有っても、怒らないで下さいね。)
こういった表面に現れない経費を含めた単価が、「相対単価」です。
なんで「相対単価」では評価されないのか、不思議ですね。
そして、ハーネス業界は大きく変換しました。
もう量産物は無いのです。すべてがユニット発注なのです。
以前は1枚の図面に対しての注文が10,000個ありました。
現在は、100枚の図面に対しての発注が1セットなのです。
高品質のものが、要求納期通りに、適正単価で購入できるのに、それでも尚、単価にのみこだわるのです。
●ハーネス営業力の強化とは
ハーネス業界の営業力って、いったい何なのでしょう?
私達は、ハーネス部品という電子パーツを販売しているわけでは有りません。
特定の自社製品を、製造販売しているわけでも有りません。
私達は、電気・電子製品の製造メーカー様にお伺いさせて頂き、メーカー様が必要とされている「ハーネス部品」の図面をお預かりして、仕様書通りの「ハーネス部品」を製造し、納入させて頂くわけです。
また、ハーネス業界の営業力の問題に戻します。
見通しのきかない国内景気の中で、製造メーカー様への直接営業活動は非常に困難であり、新規取引の開始、新規口座の開設は非常に難しい状況であります。
既存のハーネス業者とのつながりも有ります。
既存業者との間に、多少トラブルが発生しても簡単には取引停止とは行きません。
しかし、品質トラブルが早急に改善されない場合、その取引関係はいずれ限界がくるでしょう。
次なるハーネス業者を探さねばと。
そこで、本当にお困りの製造メーカー様であれば、この時代きっと「インターネット」を活用して、ハーネスメーカーを検索をされるのではないかと考えました。
ぜひとも、ご一報頂けましたら幸いであります。
新しい時代の、ハーネス営業を皆様と確立していきたいものです。
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以上、お疲れ様でした。
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最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
弊社の考え方に、ご賛同・ご反論・ご意見等がございましたら遠慮なく「お問い合わせ」ページより、ご連絡ください。宜しくお願い申し上げます。
本当にここまでお読み頂けました事、感謝・感謝です。
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